バングラデシュ、ぬぐえぬISの脅威 起爆装置設置、新指導者に忠誠

 ダッカ襲撃テロから3年以上が経過する中で、バングラデシュ政府は国内過激派組織に対する掃討作戦を展開し、弱体化には一定の成功を収めたもようだ。ただ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の脅威は継続する。中東で劣勢に立つISの“分派”がアジア全体に拡散する中、脅威の根絶は険しい道のりだといえそうだ。

 バングラデシュ政府の発表によると、警察当局は事件後、計28の掃討作戦を実施し、過激派79人を殺害した。政府は一貫して「自国内でIS勢力は存在しない」という立場。カーン内相は「どのテロ組織も大規模テロを実行する能力はもはやない」と胸を張る。

 だが今年に入って、ISの影響下で襲撃テロを首謀した地元過激派「ネオ・ジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ」(新JMB)のメンバーが、ダッカ市内の2カ所で爆破装置を設置する事件を起こした。

 ISは、指導者だったバグダディ容疑者=米軍の作戦で自爆し死亡=の後継者選出を10月31日に発表したが、この際もISの支部とされる「ISISバングラデシュ」が忠誠を表明。IS傘下のアマク通信は8月にベンガル語で「カリフ制を確立するための戦いは終わらない」とし、異教徒らへの攻撃を呼びかけるなど、バングラデシュでISの活動は継続する危険であり続ける。

 ISをめぐっては、今年4月にスリランカでISに忠誠を誓った地元過激派グループが連続テロを起こし、日本人を含む250人以上が犠牲となった。フィリピン・ミンダナオ島でもISの影響下にある過激派が複数活動する。ISとの戦いの主戦場は中東からアジアに移りつつあるともいえる。

 複数の報道によると、バングラデシュからは、シリアやアフガニスタンなどの武装勢力に少なくとも100人が加入したとされ、このうち複数が国内に帰還しているもようだ。外交筋は「過激派がミャンマーから逃れたイスラム教徒少数民族ロヒンギャを組織に勧誘しているとの情報もある。バングラデシュ政府は掃討作戦の進展を主張しているが、不安はぬぐえない」と話している。(森浩)

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