トランプ氏、中露の脅威対処訴え NATO首脳会議に出席へ

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は、3、4日にロンドンで開かれる、北大西洋条約機構(NATO)の創設70周年を記念する首脳会議に出席する。トランプ氏はNATO加盟各国に対し、国防費の引き上げを引き続き求める一方、中国やロシアの脅威への対処や、第5世代通信規格(5G)の保全強化に向けた連携を訴える。

 トランプ政権高官はNATOについて「史上最も成功した同盟だ。同盟諸国の安全と繁栄、自由を引き続き保証するのに役立っている」と述べ、米政権としてNATO重視の立場は不変との立場を示した。

 同高官はその上で、NATO加盟国に国防費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げるよう求めてきたトランプ氏の取り組みに関し、2016年に2%水準に達していたのは加盟29カ国のうち4カ国だったのが現在は9カ国になったと指摘。また、24年には18カ国に増えるとの見通しを示し、「めざましい進展だ」と強調した。

 首脳会議では、近隣国の主権や領土を脅かすロシアへの対応策に加え、中国をNATOが直面する最大懸案に位置づけ、中国による借金漬け外交や国際秩序の侵害に関し意見を交わす。

 5Gをめぐっては、機密保護やプライバシー保全の観点から中国製機器を5Gネットワークから排除すべきだと唱える米国と、中国製機器への危機感が薄い一部欧州諸国との間で認識を共有できるかが焦点だ。

 別の政権高官によると、トランプ氏は3日にフランスのマクロン大統領、4日にドイツのメルケル首相とそれぞれ会談する。

 マクロン氏との会談では、NATOの現状を「脳死状態」と批判し、「抜本的な見直し」の必要性を訴える同氏と、今後の同盟のあり方などについて意見を交わす。

 トランプ氏とNATOのストルテンベルグ事務総長は、NATO強化と軍事費支出の拡大などを通じた加盟各国の公平な負担を追求する立場で一致しており、首脳会議や米仏会談などの場でマクロン氏とどのような議論が展開されるかが注目されている。

 一方、ドイツのメルケル政権はNATO重視の立場からトランプ氏の要求に応じる形で国防費を増額し、30年代初めまでにGDP比2%に引き上げる方針。トランプ氏はメルケル氏との会談で、こうした取り組みを評価しつつ、ドイツが引き続きNATOにどのような貢献ができるかに関し協議を進める見通しだ。

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