混乱続くアフガン 大統領選2カ月未確定、和平交渉も「蚊帳の外」

 【シンガポール=森浩】アフガニスタンで大統領選(9月28日投票)の結果が2カ月を経ても確定しないなど、国内情勢の混乱が続く。米国とイスラム原理主義勢力タリバンの和平交渉再開が発表されたが、アフガン政府が関与できる見通しは立たない。政府が存在感を示せない中、中国がアフガン情勢で影響力を拡大しようとしている。

 18人が立候補した大統領選について、選挙管理委員会は10月に暫定結果を発表する予定だったが、複数回延期されている。

 本人確認用の生体認証機器の不具合を発端とした再集計をめぐり、有力候補であるアブドラ・アブドラ行政長官陣営が「ガニ大統領陣営が選管と結託して票の水増しをしている」と告発していることが大きい。11月29日には首都カブールでアブドラ陣営が呼び掛けたデモも行われた。

 選管は34州のうち、27州で票の再集計を行ったが、アブドラ氏の支持者が集計作業の妨害を続ける。ガニ氏としては円滑な選挙と自らの再選を通じて求心力を高めたい考えだったが、もくろみは外れた形だ。「むしろ選挙で政治的混乱が加速した」とは現地ジャーナリストの言葉だ。

 一方、タリバンは30日にも南部ヘルマンド州で政府軍司令官を殺害するなど、攻撃の手を緩めていない。27日に同国北部で起きた子供を含む市民計16人が殺害された事件への関与も指摘される。トランプ米大統領のアフガン電撃訪問を受けて発表された米国との和平交渉再開について、タリバンの報道担当者は「協議をめぐる方針は変わっていない」とコメント。テロ攻撃を続行するとともに、「傀(かい)儡(らい)政権」と批判するアフガン政府との対話はこれまで同様拒絶する見通しだ。

 政府が和平交渉で蚊帳の外に置かれる中、中国が政府とタリバンの対話実現に向けて関与を強める。中国外務省の耿爽報道官は記者会見で、「アフガンの平和のために助力している」と明言した。

 中国は、巨大経済圏構想「一帯一路」の中継地点として、中央アジアの要衝アフガンを重視する姿勢を見せる。アフガン民放によると、中国は10月末にアフガン国内の各政治勢力を集めた協議を北京で開催する予定だったが、出席者をめぐって調整が付かず延期となった。中国側は引き続き開催を模索しており、“調停役”を担うことで、影響力を拡大させたい意図がある。

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