深刻な兵員不足に143兆円の“巨額負債” ウクライナ侵攻から4カ月で露呈した「プーチン」自滅の末路

深刻な兵員不足に143兆円の“巨額負債” ウクライナ侵攻から4カ月で露呈した「プーチン」自滅の末路

プーチン氏 自滅の末路露呈?

深刻な兵員不足に143兆円の“巨額負債” ウクライナ侵攻から4カ月で露呈した「プーチン」自滅の末路

自滅へ突き進む狂気の男(プーチン大統領)

 ロシア軍によるウクライナへの侵攻開始から6月24日で4カ月を迎えた。ここに来て、軍事力で圧倒的な優位に立つロシア側の攻勢を伝える報道が目立つが、その裏では“内部崩壊”の兆しも同時に強まっているという。自軍同士で撃ち合うロシア兵、遠くない将来に訪れる天文学的な“負債”の重圧など、「プーチン帝国」の瓦解はすでに始まっている。

 ***

 目下、ロシア軍が支配するウクライナ南部で反撃を強めるウクライナ軍。その一方で、いまも激戦が続く「最大の戦場」となっているのが、ロシア側が全域制圧を目指す東部ドンバス地方(ルハンスクとドネツク両州)、通称「東部戦線」だ。

 ウクライナ側は、同戦線における自軍の死傷者が「1日あたり最大1000人」にのぼると発表。米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長によれば、ロシア軍側も装甲戦力を「最大30%失った」とされ、「(両軍とも)第一次世界大戦のような消耗戦」に陥っているとの見方を示す。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏の話。

「戦線は膠着状態が続いていますが、東部の一部激戦地ではまるで“戦国時代の合戦”のような消耗戦になっているのは事実です。ロシア軍が猛攻を掛けているルハンスク州の要衝都市・セベロドネツクにしても、実態は両軍が背後に回り込んで奇襲を掛け合う壮絶な“野戦”と化しています」


■絶対的な歩兵不足


 ゼレンスキー大統領が「ドンバス地方の命運を決める」と語ったセベロドネツクの大半はすでにロシア軍の制圧下にあるとされる。現在、ウクライナ軍が拠点とする同市内の化学工場をめぐる攻防が熾烈を極めているが、ロシア軍が完全制圧するのは「そう簡単ではない」と黒井氏は話す。

「仮にセベロドネツクが陥落しても、戦局が“ロシア有利”へと一気に傾くわけではありません。ロシア軍の最大の弱点は兵員不足。重火器などの装備面ではウクラナイ軍を上回るものの、その装備に対して兵の数が追い付いていない。伸びた補給ラインを守るためにも、また制圧した地域を維持するためにも歩兵は不可欠ですが、必要な歩兵を確保できていないのです」(黒井氏)

 本来であれば、ロシア国内で大量動員を掛けるなどして兵を補充する手立てを講じるべきだが、「プーチン政権は社会的な動乱を呼びかねない国内の戦時体制構築までは踏み切っていない」(黒井氏)という。

 なぜ、前線に必要兵力を投入できないのか。そこには深刻な国内事情がある。


■自軍同士で撃ち合うロシア部隊


 ロシア政治が専門の筑波大学名誉教授の中村逸郎氏が話す。

「仮に大規模な徴兵や予備役招集をかけても拒否する者が続出する事態が予想されているのです。ロシア国内では5月頃から、戦況をストレートに伝える報道が目立ち始め、侵攻当初の“ロシア軍の快進撃”や“ウクライナのナチ討伐”といったプロパガンダを額面通りに信じる国民は少なくなってきています」

 中村氏によれば、前出のセベロドネツクでも、前線の兵士が上官の命令通りに動かないケースなどが報告されており、制圧の障害になっているという。

「セベロドネツクだけでなく、東部戦線では命令を拒否した前線兵士が自軍の上官らと戦闘を繰り広げた事例も報告されています。軍隊ではあり得ない事態ですが、背景にあるのは、ロシア兵の間に“この侵攻に大義はない”といった空気が蔓延しつつあることです」(中村氏)

 統制のタガが外れ始めたロシア軍の士気の低下は、戦争が長引くほど顕著になると見られている。


■150兆円近くの復興費用


 さらに今後、戦場にとどまらず、ロシア国家を破綻に導きかねない問題も待ち受ける。

「先日、欧州投資銀行がウクライナの復興に要する支援額が、現時点で日本円にして約143兆円にのぼると試算しました。これは昨年のロシアのGDPの6割超に当たる数字。こんな巨額の資金を、経済制裁がボディブローのように効きつつあるロシアが捻出できるはずもありません」(中村氏)

 つまり、仮にロシアがウクライナの東部地方などを制圧しても、兵力だけでなく、財政面からも「併合」や「占領」など実質的にできないことを示唆しているという。

 戦争の行く末を見据えた“不安”の吐露はプーチン政権の高官からも出始めた。

「6月初旬、プーチン大統領の側近のひとりであるセルゲイ・キリエンコ大統領府第1副長官が政府機関紙『イズベスチヤ』に“ウクライナの復興はロシア国民の義務。しかし、そのためにはロシア国民の生活水準は下がることになる”との趣旨の談話を寄稿したのですが、わずか数時間後に削除された。プーチン政権に対する“警告”との説も流れましたが、真偽は不明のまま。ただし、戦争の先に“本当の勝利”はないことをプーチン政権内でも理解している人間がいるということです」(中村氏)

“自滅戦争”へと邁進する狂気の「プーチン帝国」に崩壊の足音が迫っている。

デイリー新潮編集部

関連記事(外部サイト)