「ヘンリー王子」王室離脱を認めたエリザベス女王の胸中 ナチスの亡霊がよぎったか

「ヘンリー王子」王室離脱を認めたエリザベス女王の胸中 ナチスの亡霊がよぎったか

エリザベス女王の胸中は

 当初、英国のヘンリー王子(35)とメーガン妃(38)の王室離脱問題は結論が出るまでに時間がかかるものと思われた。ところが1月18日、2人の王室離脱が正式に発表された。英国王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子氏は、今回の問題でエリザベス女王(93)の頭によぎったのは、84年前の国王エドワード8世(1894〜1972)の退位だったという。

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 1月8日、エリザベス女王に相談もなく、インスタグラムで王族離脱を発表したヘンリー王子とメーガン妃。この時点では、離脱後、税金は受け取らない代わりに、公務は減らすつもりだった。

「税金といっても、ヘンリー王子の収入のわずか5%、1500万円ほどです。残りの95%は父チャールズ皇太子(71)のコーンウォール領などからの収入で、3億円ほどあります。英王室の称号を手放さず、公務は自分たちの都合に合わせて選択する。これでは、ロイヤルという特権階級の権利だけ享受して、王室の義務を果たさないことになり、まさにいいとこ取り。エリザベス女王の怒りを買ったのです」

 と多賀氏は分析する。

 王室離脱の発表からわずか5日後の13日、エリザベス女王は王室の別邸サンドリンガムにチャーズル皇太子、ウィリアム王子(37)、ヘンリー王子を招いてロイヤル・サミットを開いた。


■第2のエドワード8世


「女王の動きがすごく速かったですね。王室スキャンダルは早く解決しないと、あることないこと報じられ、王室のイメージダウンに繋がることを心配したためでしょう。18日の英王室の声明で、2人は王室の公務を一切行わず、王族の称号『ロイヤル・ハイネス』が使えないことになりました。これはエリザベス女王の意向と思われます。中途半端な離脱では英国民が納得しないと思ったからでしょう。女王は今回の王室離脱騒動で、84年前に世間を騒がせた伯父・エドワード8世の退位が頭によぎったのでしょう」(同)

 1936年1月に王位を継承したエドワード8世(ウィンザー公)は、離婚歴があり、人妻でもあったアメリカ人のウォリス・シンプソン(1896〜1986)と交際していた。ウォリスは、その年の10月に離婚。エドワード8世は王妃として迎えようとしたが、スタンリー・ボールドウィン首相(1867〜1947)から退位を迫られ、12月に退位した。国王在任期間は歴代最短の325日だった。むろん彼の退位は、英国内で衝撃が走ったという。世界各国でもトップニュースとなり、“王冠を賭けた恋”と呼ばれた。エドワードは翌年の6月、ウォリスと結婚している。

「エドワードはその後、ドイツ・ナチスに接近し、ヒトラー(1889〜1945)の招待で、夫婦でドイツを訪問しています。ヒトラーは、ドイツがイギリスを降伏させた後、傀儡政権のトップにエドワードを就任させる予定だったそうです。そのためエドワードは英国民や王室から非難されました。彼は国王への返り咲きを目論んだこともありました。けれども、二度とイギリスで暮らすことができなかったのです。亡くなったのはパリで、遺体はイギリスの王室墓地に埋葬されました。エリザベス女王は、ヘンリー王子が第2のエドワード8世にならないよう、かなり気にかけているようです」(同)

 女王の心配は、メディアも同様に感じているようだ。英大衆紙「デーリー・メール」(電子版)は19日、ヘンリー王子とエドワード8世の写真を並べて掲載し、2人の類似点を詳報している。

「ヘンリー王子はすごくやんちゃで、これまでいくつもスキャンダルを起こしています。11歳から酒や煙草を覚え、14歳でアルコール依存性になったこともあります。仮装パーティではナチス・ドイツの制服姿で現れ、タブロイド紙にスクープされています。2012年には、ラスベガスのホテルで撮影された全裸の写真がゴシップサイトに流出して大騒ぎになりました。ヘンリー王子は精神的に弱いところがあって、誘惑に乗ってしまうんです」(同)

 王室を離脱したヘンリー夫妻は、新たなビジネスを目論んでいるようだが、

「ロイヤルブランドのグッズ販売、インスタグラムの広告料、ネットフリックスで映画製作など、メーガン妃が野心的に動いていて、年収100億円を予想する報道もありました。でも、ビジネスでは素人ですから、うまくいくのか疑問です。すでにグッズではマグカップが安値で売られていますし、ブランド力は下がって来ているのではないでしょうか。離脱騒動は、最初はみな面白がって見ていますが、時間が経てば忘れられます。事業で失敗したら、大変な赤字を背負いこむことにもなりかねません」(同)

 そうなった時、王室が一番心配しているのが、メーガン妃による暴露本だという。

 メーガン妃はヘンリー王子と婚約した直後の2017年のクリスマスに、エリザベス女王主催のパーティに招かれた。その際、女王の従弟の妻・マイケル王子夫人(75)が黒人の顔を模した大きなブローチを胸につけて出席したことが問題になった。

「このブローチの一件のような、メーガン妃への人種差別やいじめは、ほかにもあったと思われます。経済的に困窮して内情を暴露されることを、王室は恐れているのです。王室離脱の際、王室での出来事を喋ったり書いたりしないと一筆書かされていますが、この先、果たして守られるのか。ヘンリー王子と離婚するようなことになったら、歯止めも効かないでしょうね」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年1月26日 掲載

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